OUTDOOR LIFE

全国的に天気が崩れた週末。各地でアウトドアイベントやキャンプが開催されていたかと思いますが、こちらもご多分に漏れず、どしゃ降りのイベント現場にやってまいりました。
いやはや前日からの天気予報から「こりゃ今日も一日修行だな」と腹を括っておりましたが、到着してみれば…やっぱりやられました。
会場を見渡せば、すでにテントやタープがあちこちで倒壊中。
もちろん、倒れている現場の写真をわざわざ拡散する趣味はありませんが、こういうシーンこそ現場でしか得られないリアルな学びが転がっています。
20年以上もキャンプやイベントを巡ってきて、数え切れない天候と設営のケースを見てきましたが、今回もまた新しい“倒壊のパターン”にいくつも出会えました。
水の道を読め。生地の耐水圧は「溜めるため」じゃない
まず一番多いのは、水に抗おうとした結果の“沈没”。
この季節、急な雨量増加も珍しくありません。
生地の耐水圧が高いと、今度は水が天井に溜まり、重みでフレームがやられる。
よくあるのが「漏れなきゃいい」という考えで設営するケース。でもね、“溜まる”のも困りものです。
大事なのは、ガイドロープや設営の角度を駆使して、最初から水の通り道を作っておくこと。
これ、知っているようで意外と現場で実践できていない方が多い。ちょっとした一工夫で“倒壊”を防げます。
風には勝てぬ。潔く畳む勇気
次に風。今回も事前に豪雨&強風予報が出ていたにも関わらず、最後までタープを張ったままのブースがちらほら。
タープは本来「日除け&ちょい雨避け」くらいが役割。
強風時に無理して使い続けるのは、製品の想定以上の使い方です。
自社の商品の力を正しく把握して、時には撤収を選択するのもブランドを守る大事な判断。
「せっかく設営したのに…」という気持ちも分かりますが、やられる時は一瞬ですから。
スタイル重視? 構造の意味を再確認
最近は見た目重視のスタイリッシュなテントも増えましたが、「ほんとに大丈夫か?」と首を傾げることもしばしば。
現場で某有名ブランドのテントが思いっきり倒壊していたのを目撃しましたが、どう見ても構造上の問題。
雨の日にテストしたことがあるのかと、思わず声を掛けたくなるレベル…。
もちろん「雨の日はキャンプしません!」というユーザーも一定数いるけれど、僕としては“スタンダードな構造”を大事にしたい派です。
見栄えは大事、でもポールを増やせばその分、歪みやすくなるリスクも。
撤収・設営の手間も増え、当然コストもかさみます。
現場でしっかり張る、撤収までを想定してプロダクト設計する。それが“アウトドアブランド”の責任だと思っています。
試される現場力。イベントこそ商品力の見せどころ
最近は展示や撮影の時だけ商品を“張る”メーカーも増えた印象。
人手不足、納期カツカツ、コストとの戦い。どこも事情は厳しいと思います。
でもやっぱり、雨や風の強い日にこそ自分の商品を現場で試してほしい。
“しんどい”のは間違いないけど、この状況でこそ自社も他社もガチンコでリサーチができます。
雨の日は、アウトドアマンの真価が問われる
本音を言えば、しんどい。
朝から泥だらけ、びしょ濡れになってブースのメンテも何回したか…。
でも、こういう日こそ「次に繋がるヒント」が必ず落ちているんです。
現場で感じたこと、しっかり次の開発や提案に活かしていこうと思います。
さて、このあとどう動くか。天気と相談しつつ、無理せず楽しみながら今日も“修行”してまいります。
皆さんも、無理せず安全第一でアウトドアライフを!
【SummyG】